よこやま通信 NO.200
歯科外来においても大変多い訴えです。ある報告によれば、日本の人口の約8%から57%が象牙質知覚過敏症に罹患していると報告されています。テレビでも「知覚過敏」に関するCMは毎日どころか毎時間見ると言っても過言ではないのではないでしょうか?
<酸蝕・摩耗で痛い?>
健全エナメル質は歯磨剤の有無にかかわらず、ブラッシングによって摩耗しないので、通常ブラッシングと象牙質知覚過敏症の間の関連性は低いとされています。しかし、酸性食品の繰り返し摂取などによって酸蝕されたエナメル質は、耐摩耗性が低くなり、とくに頬側歯頸部エナメル質で酸蝕と摩耗が同時に生じると、エナメル質は欠損し、象牙質は露出しやすくなるとされています。
<ホワイトニングで痛い?>
象牙質の露出にかかわらず、生活歯のホワイトニングを受けた患者さんの約60%に痛みが発生します。ホワイトニングに用いる過酸化水素製剤・過酸化尿素製剤は約15分でエナメル質から象牙質・歯髄に浸透し、象牙細管内液の移動を起こし、象牙質痛を発生させるのみならず、やがて歯髄炎を誘発します。
<歯肉退縮で痛い?>
オーバーブラッシング
患者さんに普段使用している歯ブラシを持参していただき、まずその歯ブラシを用いて以下の項目をチェックし、ブラッシング指導を行います。
①歯肉退縮を誘発しやすい歯ブラシの当て方
②ブラッシング圧や歯ブラシの動かし方
③ブラッシング時間
外傷性咬合
タッピング時や側方運動時に歯が少し揺れることがあります。
また、安静時に上下の歯が接触し続けていないかも確認します。患者さんが自覚していないこともあり、舌圧痕や頬粘膜圧痕などを情報収集します。一方くいしばりや歯ぎしりも象牙質知覚過敏症の原因にもなります。
« よこやま通信 NO.199 | トップページ | よこやま通信 NO.201 »
コメント