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2022年9月14日 (水)

よこやま通信 NO.195

 Tsukimi_jugoya_usagi口腔ケアの時など、特に炎症を起こしていないと思われる部位の

歯肉を押すと、歯と歯肉の間から白い膿のようなものが出てくる

事があります。特に痛みを訴えることもないのですが、これは

どの様な状況でしょうか?

 

 

 

歯は歯槽骨という顎の骨の中に植立していますが、歯の根と

歯槽骨が直接接しているわけではなく、歯根膜という線維性の

結合組織からできている網が根と歯槽骨の間に介在し、歯槽骨

と歯をつないでいます。つまり歯は、歯槽骨という骨で出来た

ソケットの中に張られた網の上に乗ているということになります。

 

では、この歯根膜という組織は何をしているかというと、

歯にかかる力が直接、歯槽骨にかからないように、クッションの

役割をしているのです。

Beads_cushion_man

噛む力は男性で60kg、女性でも40kgくらいで、なかには

100kgを超す人もいます。そのような強い力が歯根膜という

クッションもなく直接顎の骨にかかるとどうなるのでしょうか。

Ha_sukippa_man  Ha_sukippa_woman

 

 

当然痛みが生じ、ひどくすると、顎の骨や歯が折れたり、歯

自体がソケットから抜けてしまったりしてしまいます。

また、歯根膜は年齢や歯周炎の進行とともに、弾性が失われ、

また減少していきます。

そのため歯周病が進行した状態では、強く噛むと、痛みや

動揺が生じるようになるので、強く噛むことが出来なくなって

しまうのです。

Haguki_shisyuubyou-1

一方、歯根膜には毛細血管やリンパ球などが含まれ、歯の周囲の

感染防御の場にもなっています。歯は歯肉とぴったりとくっついて

いる訳ではないので、歯の周りにはどうしても歯と歯肉の間の溝

(歯周ポケット)が生じてしまいます。

 

このため、この歯周ポケットには多くの口腔内の細菌と食物残渣

などが溜まってしまうのです。

これらの細菌は細菌の塊である歯垢を形成し、さらに増殖していき

ますが、通常、健康で免疫力が十分あるときには、歯根膜や歯肉の

感染防御機構が働くため、とくに炎症が生じることはありません。

 

しかし、歯周ポケットが深くなり、免疫力を超えた多量の細菌の

塊が出来てしまったり、体調が悪く免疫力が低下したりすると、

歯周ポケットの内の細菌が増殖し、歯周病が急性化して、痛みや

腫脹を発現することになるのです。

 

歯の周りから白い膿のようなものが出ている状態というのは、

歯の周りの免疫組織が歯周ポケット内の細菌に勝っていて

炎症が起きず、細菌の死骸が白い膿となって、歯肉から押し

出された状態ということになります。

しかし、白い膿が出てくるということは、同部位には深い

歯周ポケットがあり、その中に歯垢や歯石が存在している

ことを意味します。同部位には、歯科専門職による歯石除去

や歯周ポケット内への抗菌薬などの薬剤の注入などの歯周治療

と、毎日の歯周ポケット内に対する慎重なブラッシング、

また含嗽薬を用いた科学的消毒を適宜行う必要があるという

ことになります。

Ha5_shikou 

また、深い歯周ポケットが出来てしまっている場合は、

歯周ポケットを浅くするといった手術が行われることも

あります。

Jugoya_line

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