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2022年5月17日 (火)

よこやま通信 NO.191

ナイトガードとは?マウスピース型のリテーナーのイラスト

ナイトガードは歯ぎしり(ブラキシズム)やいびき、顎関節症、口腔粘膜疾患などの治療のほか、

口腔の不随意運動のある患者様や意識障害、経口挿管患者の歯や歯肉、気管挿管チューブの

保護など多くの目的で使用されています。

 

「保護床」「副子」「マウスピース」といった名称で呼ばれることもあります。

 

ナイトガードを装着したまま長時間口腔内に放置すると、ナイトガードに付着した細菌が繁殖し、

気管に垂れこむことで誤嚥性肺炎の原因となることがある事から、

清掃・消毒口腔ケアの度に行う必要があります。

 

 

ナイトガード使用時の口腔ケア

まず、口腔ケア時にナイトガードを取り外し、粘膜に新たな傷がないか

などの口腔状態を確認します。また、ナイトガードを長時間使用すると摩耗や変形

が起こるため、破折・破損の有無を確認する必要があります。

 

 

ナイトガードの清掃方法

清掃方法は、流水下で軟らかい歯ブラシにて表面と内部の

ぬめりがなくなるまで磨きましょう。

この時、歯磨き剤を使用すると歯磨き剤に含まれる研磨剤により、ナイトガードが傷つき

この細かい傷に細菌が定着し繁殖する原因となるので使用しないようにしましょう。

清掃後は専用容器に義歯洗浄剤を入れ、浸漬させます。ナイトガードは熱可塑性の材料で

作製されていることが多く、熱湯などで変形するので、

煮沸消毒などは行ってはいけません

 

 

ナイトガードの使用効果

口腔では各種疾患や治療の副作用などで、出血傾向が増悪し、歯肉から自然出血が

みられる場合があります。この様な場合、歯ブラシなどの機械的清掃が困難になる事も多くあります。

しかし、歯肉周囲の歯垢を除去しないでおくと、さらに歯肉炎が増悪し、出血を助長します。

ナイトガードは、その内面に出血薬や抗菌薬・消毒薬を填入することで、唾液による流出を防ぎ、

薬剤の停滞性をよくし、病変部にのみ長時間作用させる事ができ、同時に、出血している場合は

圧迫止血の効果も期待できます。また、自己免疫疾患などの難治性の口腔粘膜疾患に対し、

ステロイド軟膏を持続的に長時間作用させ症状を軽減することにも有効です。

リウマチなどの自己免疫疾患では、ステロイド薬の長時間使用を行うことがありますが、

口腔カンジダ症の出現に注意する必要があります。難治性の口腔カンジダ症に対して、

抗真菌薬をナイトガードによって口腔内に長時間作用させ治癒を促すこともあります。

                                          歯科技工士のイラスト 歯科衛生士のイラスト(職業)

 

 

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