よこやま通信 No.183
歯磨剤について
ブラッシング時に歯磨剤を使わない方や液体ハミガキを使っている方、フッ化物が配合されていない歯磨剤を使っている方などさまざまです。
歯磨剤自体に抵抗のある方、研磨剤(清掃剤)や発泡剤を気にする方、昔使わないように言われてそれを守り続けている方もいるかもしれません。
清掃剤については、プラーク(汚れ)やステイン(着色)などを落としやすくするため、含まれていないと歯が着色しやすくなりますし、通常の軽い力でブラッシングしていれば問題ありません。むしろ、研磨性にはブラッシング圧や歯ブラシの毛の硬さの方が影響します。
現在、購入可能な歯磨剤には、その基本成分である清掃剤(研磨剤)が配合されたペーストタイプ(練状)、清掃剤が配合されていないジェルタイプ(液状)、フォームタイプ(泡状)などがあります。
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ペーストタイプは、種類や販売量の多いもっとも一般的な歯磨剤で、フッ化物イオン濃度も100~1500ppmまでと、さまざまなものがあります。その中には清掃剤の少ないものも販売されていますが、どうしても研磨成分が気になる場合には清掃剤が無配合のジェルタイプやフォームタイプを選択します。
フォームタイプは、ほとんどが空気による泡なので、同体積のペーストタイプやジェルタイプと比較してフッ化物の量が少ないことから、1000ppmのものは6歳未満であっても使用できます(1500ppmのものは成人や高齢者に使用)。また、洗口ができず、介助が必要な要支援、要介護者や障害者への応用にも適しています。
たまたま使用している製品にフッ化物が入っていないのであれば、味や効能・効果の好みを聞いたうえで、医院でもフッ化物配合の歯磨剤を紹介します。
また、フッ化物配合歯磨剤を使っている場合、その濃度を確認されたことはありますか?
2017年3月に、フッ化物イオン濃度(フッ素濃度)の上限を1500ppmとする高濃度フッ化配合歯磨剤の医薬部外品としての市販が厚生労働省により認められました。
フッ化物配合歯磨剤のう蝕(虫歯)予防効果は、第一にフッ化物イオン濃度に依存しています。
1000ppm以上のフッ化物イオン濃度では500ppm高くなるごとにう蝕予防効果が6%上昇することが知られています。また、500ppm未満のフッ化物配合歯磨剤ではう蝕予防の有効性が明らかにされていません。
これまで報告された知見に基づく年齢別に推奨されるフッ化物イオン濃度と使用量を示します。
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