よこやま通信 No.167
タバコにより、歯ぐきにも着色が起こります。
加えて、口腔・咽頭がんの発生率が3倍になるほか、味覚が鈍くなったり、口臭を悪化させたりします。1980年ごろより、喫煙者と非喫煙者で歯周病の進行具合に差があることが注目され始め、現在では喫煙は歯周病の大きなリスク要因であることもわかっています。また、最近では、子どもの虫歯発生率や歯内療法の予後も、親が喫煙者か非喫煙者かで左右されるとの報告もあります。
タバコには4000種以上の化学物質が含まれ、そのうち40種類は発がん性物質といわれています。お口の中はタバコの煙が最初に体を通過する場所ですから、様々な悪影響を直に受けるのです。
タバコの三大有害物質は 「ニコチン」 「タール」 「一酸化炭素」 です。
ニコチンは依存性が強く、禁煙しようと思ってもなかなかやめられないのは、これが原因です。
タールはいわゆる「ヤニ」で、強い発がん性があります。タバコを吸っていると、住居の壁が黄ばんだりベタベタしたりするのは、タールのせいです。また、タバコは低い温度で不完全燃焼するため、一酸化炭素が発生します。
一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと非常に強く結びつきます。普通ならヘモグロビンは酸素と結びついて、体中に酸素を運搬する働きがあるのですが、一酸化炭素と結びつくと、身体への酸素供給が妨げられます。その結果、タバコを吸う人特有の肌の老化が起こります。
いわゆる「スモーカーズフェイス」はこれが原因です。
[スモーカーズフェイス]とは
・白髪
・目じりのしわ
・口周りのしわ
・歯・歯肉の着色、口臭
・口唇の乾燥、着色
ー喫煙は歯周病の大きなリスクとなるー
知らぬ間に歯周病が進行していることも・・・
喫煙の歯周病への影響は、「かかりやすい」「気がつきにくい」「治りにくい」の3つです。
まず、生体の本来の免疫機能が喫煙により妨げられるため、歯周病にかかりやすくなります。喫煙者は非喫煙者に比べて罹患率が高く、重度に進行した人の割合も高いことが知られています。
また、ニコチンの血管収縮作用により炎症症状が隠され、歯周病が進行しても出血などの自覚症状が出にくくなります。そのため、発見が遅れてしまい、歯ぐきに赤みや腫れがそれほど目立たないのに、歯周組織の破壊が進んでいることもあります。
さらに、いざ治療を始めても、喫煙者の歯ぐきは硬くて沈着物の除去が難しく、歯周組織の修復も阻害されているため、思うように治療効果が上がらないのです。
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