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2019年9月 8日 (日)

よこやま通信 No.159

歯周病と認知症の関係

 

 

口腔の健康不良はアルツハイマー病の危険因子です。

歯周病と認証の関係はこれまでも指摘されていましたが、明らかでなかったのは、歯周病がアルツハイマー病の原因になるのか、それとも単に認知症の患者さんの多くは口腔管理ができない結果、歯周病にかかっているだけなのか、ということでした。

そんな中、今年に入って歯周病の原因菌がアルツハイマー病の脳で発見され、認知症を発症、進行させる可能性があるという研究が大手の一流科学誌によって発表されました。

 

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1990年代にある研究者が当時アメリカでHIV感染症の治療中、抗ウイルス薬を服用した後にHIV関連の認知症が治った人がいて、アルツハイマー病は感染症が原因となる可能性がある、という考えに興味を持ち、アルツハイマー病で亡くなった患者の脳から歯周病の主な原因菌として知られる、Porphyromanas gingivalis(以下、P. ジンジバリス)を探すプロジェクトを開始しました👓

 

ヨーロッパ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアの研究機関が協力し、アルツハイマー病で亡くなった人の脳でP. ジンジバリスを発見することができ、50人以上のアルツハイマー病の脳サンプル90%以上で、ジンジパインと呼ばれる、P. ジンジバリスが持っているタンパク分解酵素が検出されました。

ジンジパインを多く含む脳はアルツハイマー病を示すたんぱく質の量が多く、明らかに認知症のない、50人の高齢者の脳はジンジパインとアルツハイマー病を示すタンパク質両方の数値が低いことがしばしばありました。

そこで、細菌が病気を引き起こしているかどうかを調べるため、健康なマウスの歯茎にP. ジンジバリスを付着させて感染させ、実験をしました。

その結果、アルツハイマー病で見られる、脳の神経細胞を死滅させるタンパク質と死にかけている神経細胞が通常レベルよりも高い数値を検出しました。

 

また、マウスにジンジパインと結合する薬剤を与えると、一般的な抗生物質よりも脳からP. ジンジバリスが除去され、アルツハイマー病の兆候が減少しました。

その後、ボランティアによる薬の最初のテストで、認知症の改善の兆候が示された参加者がいることを発表しています。

 

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アルツハイマー病の原因のひとつは脳内に侵入したP. ジンジバリスであり、それが分泌するタンパク分解酵素であるジンジパインが脳の神経細胞を変性させて、認知症を発症させる可能性があり、さらに新開発のジンジパイン阻害薬によって、アルツハイマー病が治療できる可能性もあることがわかりました✨✨✨

しかし、多量のP. ジンジバリスが脳内に移動するのは重度の歯周炎患者だけと考えられるので、認知症の全ての原因がP. ジンジバリスである、というわけではなさそうです👀

 

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